【ふつうの文字が、ロゴらしくなるまで①】
ロゴというのは不思議なもので、
「こうでなければいけない」という決まりは無いはずなのに、
「それらしくみえる」ルールは存在します。
デザイナーが文字を入力しただけでは
またもちろん、あまりロゴらしくなりません。
なにかしらの工夫を加えて、「クセ」を付けていくことで
だんだんとロゴになっていきます。
今回は「ロゴをロゴらしくする方法」のお話です。
【これでもか、というぐらいツメるとロゴらしくなる】
いろんな方法がありますが、今日はその中の1つ
「これでもか、というくらいツメる方法を紹介します。
一番単純で、基本的なテクニックです。
左と右では、「どちらのほうが目につくか?」と聞かれたら
右と答える人が多いのではないでしょうか。(何か太いし。)
目につく理由は2つあります。
1つは文字と文字の間隔が狭いこと。
文字列がひとつの塊のように見えてくることで、
「意味を持つまとまり」のように感じられる、というものです。
人の目は不思議なもので、モノが集まっていると
そこに意味を感じるようになっています。
(参考:文字と文字の間を狭めることを、文字を「ツメる」といいます。)
もう1つは、間隔で稼いだ分だけ、文字を拡大していること。
縦幅は同じでも、右の方は1つ1つの文字が
数パーセントずつ大きくなっています。
限られたスペースの中で、より存在感のあるものにする。
「ロゴ」も、あまり弱いものでは埋もれてしまいますから、
いかにして目立つ力を持たせるかは、デザイナーの腕の見せ所です。
【流れを持たせると、ロゴらしくなる】
「意味を持つまとまり」を出す方法として、もう1つ。
ここ十年ほどの流行のようですが、文字に流れを持たせる手段もあります。
1つ1つの並びをバラけさせることで、
文字列からリズム感が出てきます。
ただまっすぐに並ぶ文字と比べて、なにか意味を感じられて
「ロゴらしさ」が上がります。
紙面などでスペースがある場合のタイトルロゴなどにも有効な方法です。
ロゴを作る時には、「まとまり感」を出すことが最重要項目です。
そのために、今回紹介した
「これでもか、というくらいツメる」や「流れを持たせる」など
いろいろな工夫を加えることで、
ただの文字列が、だんだんと「ロゴらしく」なっていくのです。
いかがでしたか?
普段見慣れたロゴも、そんな新しい視点で見てみると、
意外な発見があるかもしれません。
それでは、また。
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